ヒールストライクからフォアフット走法に変えるとふくらはぎを怪我する問題の真実!

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マラソン世界記録を持つエリウド・キプチョゲも日本記録を持つ大迫傑選手、そして前日本記録保持者だった設楽悠太選手も、皆フォアフット走法です。

フォアフットは速く走れる走法として既に定着していますが、一方ではヒールストライクからフォアフット(あるいはミッドフット)に変えたことによって、ふくらはぎを怪我してしまったランナーの話しをよく聞きます。

僕の知り合いにも、何人か同じ経験をした人がいます。

巷ではフォアフットはふくらはぎに負担がかかる走法とも言われていますが、本当でしょうか?

重心の前で前足部から着地するだけではフォアフットにはならない

「ヒールストライクからフォアフットに変えたければ前足から着地すればいい」そう考えて実践すればその日から簡単にフォアフットのような走りになります。

恐らく、そのようなランナーの殆どが、そのまま走り続けることで、ふくらはぎを故障するでしょう。

その理由を僕なりに考えてみました。

以下の図を使ってご説明します(下手クソな絵で失礼します)。

Aヒールストライク

ヒールストライクは基本的に重心よりも前に着地する走り方となります。

重心の前に着地することで結果的に踵着地になり、ブレーキング要素も強くなります。

速く走るためには、着地した後に重心の真上に身体を運ぶために力を使わなければなりません。

B足を前屈し前足から着地する

もし、ヒールストライクが染み付いたランニングフォームで前足から着地する意識で走るとどうなるでしょうか?

膝が伸びている状態で前足から地面に着地しようとすれば、足を前屈させる必要があり、そのためにはふくらはぎの筋肉に力を入れ(収縮させて)なければなりません。

ふくらはぎが収縮した状態で着地すれば、着地の衝撃によって収縮した筋肉を伸ばそうとする力が働き、ふくらはぎに負担がかかってしまいます。

このような状態で走り続ければ、ふくらはぎは故障してしまうでしょう。

フォアフットでは重心の真下で着地するべき

C重心の真下で着地

本来フォアフット走法は上図のように重心の真下で着地することにより、足は自然と前足部もしくはフラットに着地することができ、ふくらはぎに必要以上に力を入れる必要はなく、負担も少ない走法なのではないでしょうか。

なので、ヒールストライクからフォアフットに変えたければ、着地を重心の真下で行うべきでしょう。

そうすれば、自然と着地はフォアフットもしくはミッドフットになるはずです。

そもそもフォアフット走法の利点は、着地時のブレーキング要素を減らして着地時間が短縮できる点です。

結果として、ストライドが伸びてピッチも上がり、ランニングエコノミーの向上につながる走法のはずです。

必要以上に体のどこかに負担がかかるのであれば、速さもランニングエコノミーの向上も期待できないのではないかと思います。

過去にモハメド・ファラー選手のフォアフット走法について記事にしたことがありますんでこちらもご参照ください。

今まで僕が走っている時に何に意識を集中していたかというと“着地”です。 それは、いかにして体にダメージが少なくスムーズに着地できるか?...

ストライドを伸ばす間違った認識

以前僕はフォアフットとかヒールストライクとか、全く意識していなかったのですが、ランニングを始めて意識するようになって、自分がフォアフットで走っていることに気が付きました。

その後暫らくして速く走りたくなり、できるだけ大股で自分の身体よりも遠くに着地すれば、ストライドは伸び速く走れるようになるはずと、間違った認識を持っていました。

そんな走り方を続けていたら数カ月でふくらはぎの肉離れを2回もやってしまいました。

僕がこれまでランニング中に患った2回のふくらはぎ肉離れについて、僕なりに対処してきた方法を書いてみましたので、同じような境遇の方の参考になれば幸いです。

前述したように、重心より前で着地してもそれはブレーキング要素でしかなく、逆にふくらはぎに負担がかかっていたことに気が付くのに、かなりの時間を要してしまいました。

もちろん、その後ランニングフォームを改善してからは、ふくらはぎの故障は無くなりました。

最後に

そもそもランニングとはジャンプの連続です。

ジャンプする距離がストライド、そしてジャンプする回数がピッチです。

つまりストライドを大きくするためには、地面を効率良く蹴って、より遠くに飛ぶ必要があります。

地面に最も効率的に力を伝えるには、自分の重心の真下に着地し蹴ることです。

つまり、重心よりも前で蹴っても、後で蹴っても力は効果的に伝わりません。

実際には走っていると若干前傾するので、重心は身体よりも少し前になると思います。

前に進むのに何故真下に蹴るのかとい思う人もいるかもしれませんが、走るということは足が円を描くように回転しているわけですから、結果的に前に進むんです。

以上の動作が結果的にフォアフットあるいはミッドフット着地になると考えるべきであり、効率的な走り方だと思います。

そして、効率的な走り方というのは、同じペースで走った場合、余裕が生まれます。

なので、フォアフットやミッドフット走法は、身体に負担の大きい走り方ではなく、身体に優しい走り方になるはずです。

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コメント

  1. 中級トレイルランナーです。 より:

    初めまして。当然のコメント申し訳ありません。
    ネットで「フォアフット 誰でもできる」と検索していたら、この記事が見つかり拝見しました。
    記事の内容に同感です。体の真下(重心)に着地すれば必ずミッドフット、フォアフットになります。フクラハギを意識して使う必要は無く、むしろフクラハギに優しい走り方です。
    このような意見はとても貴重です。参考になります。

    • エノカツ より:

      当方の記事を読んでいただきありがとうございます。
      僕もフォアフット、ミッドフットはふくらはぎ(身体)に優しい走り方だと思います。
      身体に優しいということは、その分速く走れるという事。
      それはトップランナーが証明していますね。

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