はじめに
スキー技術の話しで盛り上がるのは外スキー荷重か?内スキー荷重か?という話題は盛り上がりますよね。
極論を言えば「どうでもいい」ということなんでしょうけどね。
例えばスノーボードやチェアスキーは1本の板で操作をしているので内スキーとか外スキーとかいった概念すら無い訳ですので、滑りやすい方法で良いのだと思います。
スキーの場合板が2本あることで話しを複雑にしているのかもしれませんね。
だからスキーは面白いとも言えますよね。
さて、外スキー操作主導でしかスキーをしてなかった僕としては、今さらながら内スキーの操作について新たな発見があったので記事にしてみました。
どこからが外スキー(外足荷重)?
外スキー(外足荷重)はどこから始まるか考えたことありますか?
スキー界の常識で考えればターンの外側が外スキー、つまりスキーがフラットになるニュートラルポジションを過ぎたあたりから外側のスキーのインエッジが掛り始めそこからが外足荷重という考え方が普通なのではないかと思います。
今回もスキー教程の写真を拝借させていいただきました(そろそろ改訂されるんでしょうか?)
下の連続写真で言えば赤矢印の部分が一般的な外スキーの始まりですよね。
ですが、外スキーの始まりはもっと早いんじゃないかというのが僕が最近学んだことです。
赤矢印が前のターンの終了あたり、ニュートラルポジションの手前あたりと考えています。
今の内スキーは次の外スキーであり外スキーの始動は内スキーの段階から始まっていると考えれば分かりやすいでしょうか。
トップスキーヤーは当たり前にやっている?
ここまでは僕個人の戯言なのですが、ここからはトップスキーヤーは当たり前にやっているのではないかという話しです。
最近はYouTubeなどでトップスキーヤーが個人的な内部感覚を惜しげもなく公開していたりしますよね。
とてもいい時代になりました。
その中から参考になる動画をご紹介します。
こちらはムラキンさんこと元ナショデモの村上祐介さんの動画です(個人的には神動画ではないかと思っています)。
本題は2分13秒当たりから。
ポイントとしては「次の外足(内スキー)の真上に重心を置く・・・」という部分です。
こうすることで前半から張り付いたターンができると解説しています。
こちらも元ナショデモの渡部浩司さんのチャンネルです。
こちらは深いロングターンはスケーティングのイメージで滑っていると解説しております。スケーティングは内スキーから捉えていく動作になりますよね。
この二つの動画をご覧になってみていかがでしょうか?
ショートターンとロングターンの違いはありますが、外スキーを内スキーの段階から捉えることで重心を山側に移動することができターンが深く(または余裕ができる)といった点に共通するポイントがあるとのではないでようか。
よく「外スキーの捉えを早くして」とか「エッジを早くかけてきて」なんていう指導を受けることがありますよね?
実はニュートラルを過ぎてから外スキーを捉えるのは遅すぎということなんです。
もっと早い段階(内スキーのアウトエッジから)で捉えることが重要だということをこの二つの動画で学べるのではないかと思います。
つまり、トップスキーヤーは普通にできているということなのではないでしょうか。
実践するのは相当難しい!?
この2つの動画はとても分かりやすく解説していただいていますが、自分もやってみようということで試してみて直ぐにできるスキーヤーはまずいないと思います。
もちろん直ぐに出来てしまうスキーヤーもいますが、そもそもレベル的にかなり高いスキーヤーです。
これは別にムラキンさんや渡部浩司さんの説明がへたくそだとかもっと重要な情報を隠しているとかそういった話しではなく、スキーヤー個々の癖や滑り方に応じた対処方があるので万人に当てはまる処方箋が存在しないからです。
私の実践方法の解説です
万人に当てはまる処方箋が無いことは承知で僕自身が今取り組んでいることを具体的に書いてみたいと思います。
多少なりともヒントになるものがあればと思います。
またもやスキー教程の連続写真を拝借しこの写真をもとに解説したいと思います。
- ターンの後半に左スキー(内スキー)のアウトエッジを差し込む
- 荷重を右スキーから左スキーに移動させる
- 右股関節の外転(外向傾)を解放し左股関節の外転を行うことによって股関節の左右の入れ替えが行われ左スキーのアウトエッジが外れる(この時は若干の外向傾ができている)
- スキーの接雪面がフラットになりトップがターン内側に向く
- 右スキーのインエッジが掛りだす(同時に外向傾が強まる)
こんな感じで色々なことを意識していますが、他にも色々と複雑なことをやっているので補足説明させていただきます。
1~2の段階で内スキーのアウトエッジに荷重しただけではエッジが外れずに次のターンへの切り替えは始まりません。
ここでエッジを外そうと重心をターンの内側に移動させてしまうと内倒、また左足をシュテムのように外に出したり、上体が大きく伸びあがって荷重を軽くするような動作は全てNGです。
なので、3にあるように股関節を動かすことによって左スキー(次の外スキー)のアウトエッジが外れる、正確にはアウトエッジが外れてフラットになってもスキーの真上でバランスを維持することができるようになります。
ターンの切り替えでスキーがフラットになる状態というのは最も不安定な状況で恐怖心もあります。
従って恐怖心のあまり余計な動きを行ってしまうスキーヤーも多いです。
コツとしては、足首、膝、股関節、腰を適度に曲げた基本ポジションを維持し続けることなのですが、体のどこかに力が入ると基本ポジションが崩れてしまうことが多いので脱力するよう心掛けるようにしています。
スキーがフラットになった状態で良いポジションに乗っていればスキーのトップは斜面の下に勝手に落ちていくようにつくられています。
もう一つ重要なのは谷回りの時の重心移動の方向で、前述しましたがエッジを外そうとしてターンの内側に重心移動してしまうのは内倒につながるNG動作です、谷回りでは慣性力と逆らう方向(体の移動方向)に重心を先行させていかなければなりません。
ご紹介した動画ではムラキンさんは「山側に上がってく様な感じ」、渡部浩司さんは「山に蹴り上がる」と解説してていますが、このタイミングはターン後半からニュートラルあたりの感覚になりますので混同しないようにしてくださいね。
スキーを信じてトライしてみましょう!
おわりに
外スキー(外足荷重)は前のターンの後半から始めるといいですよ!といった内容だったのですが、もう一つ重要なポイントがありました。
それは捉えが早くなることでフラットをつくりやすくなるという部分です。
では、フラットをつくると何が良くなるのか?
それはスキーと体が離れないことで、スキーを自在にコントロールできるようになるということです。
SAJ教育本部の今シーズンのテーマの中に「センターポジション」というキーワードが多々出てきますが、僕はスキーを体から離さないという部分にも共通していると思います。
僕自身はこの練習を行うようになり、スキー操作の幅がかなり広がりました。
まだまだな部分もありますが、必ずマスターして次のステップに進みたいと考えています。
皆さんも是非!!
おまけ
下はこの記事のアイキャッチで使っているテッド・リゲティの画像なのですが完全に外スキーが雪面から離れてしまってますよね?
皆さんはこの画像を見て何を連想しますか?
- 何かの理由で偶々外スキーが浮いてしまった
- 次の外スキーに備えて内スキーのアウトエッジを嚙ましている
- 内スキー主導なので外スキーが浮いて滑っても問題ない
正直正解は分かりません(笑)
この後瞬時に外スキーで捉えて何事も無かったように滑ったかもしれませんし、次の瞬間に内足が外足に切り替わっているかもしれません。
まぁ3は無いでしょうね(笑)
いずれしにてもこのクラスの選手になると外スキーか内スキーか?、なんていうレベルでスキーをしていないのではないかと思います。