フリーランスの仕事ってどうなのよ?という疑問に答えるべく、ざっくり書いてみた

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最近フリーランスという言葉をよく耳にするようになった。
何のことは無い、個人事業主や自由業のことだ。
フリーランサーという言葉だけで何だかカッコよく聞こえてしまうから不思議だ。

私は小さな会社を経営しているが従業員数も少ないし、ほとんどの仕事は私自身が回している。
会社として登記するか、個人事業主として開業届を出すかの違いを除けば、私もフリーランサーと言えなくもないのだが。

さて、私の友人や知人の中にも、ざっと数えただけで10人ほどのフリーランサーがいる。
仕事の内容は様々だが、企業から仕事を請け負う者や、個人を相手に商売をする者、あるいは企業と個人の両方を相手にしている者もいる。

フリーランスで働いてますと言えば、自分の好きな事を仕事にし、好きな時に働いて、忙しく働くこともなく、会社員よりも高収入、さらに時間が自由に使え、変な人間関係に悩むことない、まさしく自由業といったイメージを持たれることも多い。

そんなカッコいいイメージのフリーランサーの実態は実際のところどうなのだろうか?
私を含め、私の友人や知人などの話しを参考に、フリーランスの実態に少しばかり迫ってみたい。

彼らはどのようにしてフリーランサーになったのか?

フリーランスとして働くきっかけが人それぞれ違ったとしても、ほぼ共通している点は会社員時代の経験や人脈を活かしてフリーランサーになるケースが多いように思う。

当たり前のことだが、会社員としてどんなに頑張って働いたとしても決められた給料以上はもらえないし、ビジネス的なセンスや経験と積んだからといって会社の役員や社長に上り詰めることができるとは限らない。

会社員として頑張れば頑張る人ほど、自分の将来が見えてしまうようになれば、人生の選択肢を会社の外に向けてしまう人は意外に多いのかもしれない。

一方で、会社内の人間関係が原因であったり、結婚が理由でリストラされたり、会社の業績が悪く給料が支給されなくなったりと、自分が意図せず仕方なくフリーランスの道を選んだ者も意外に多い。

スケジュールは数カ月先までカツカツで土日祝日も関係なく徹夜で働いている

私の友人に雑誌社から仕事を請け負うフリーのライターさんが二人ほどいるのだが、もし彼らに会食を申し込んだ場合1カ月以上先になってしまうほど常にスケジュールが埋まっている。

出版という納期厳守の業界では土日など関係無いし徹夜も日常茶飯事だという。
会社員であれば、納期に間に合わせるために仕事を分担するといった隠れ技が使えるかもしれないが、一人で働くフリーランサーはそのような芸当ができるわけではない。

ライターとはいえ常にキーボードをパコパコと叩いているわけではく、仕事の8~9割は取材や調べものに費やされ、常に情報アンテナを張り巡らし、少しでも空き時間ができれば現場に行って情報収集してまわるのも仕事のうちだという。

1日が30時間くらいないと仕事が回らないのだと彼らが口癖にようにぼやいていたことも付け加えておきたい。

そして、スケジュールを常にカツカツにしてしまう理由、それは仕事の依頼を断れば、そのうち仕事が来なくなってしまうのではないかという不安がそうさせるという。

下手な会社員の方がフリーランサーよりも自由な時間を満喫しているのではないだろうか?
実際私の場合も会社員時代よりも仕事に追われている状況であることは否めない。

面倒な人間関係は解消される。しかし?

フリーランサーは会社員のような面倒な人間関係は存在しない。
上司にあれこれ指示されることもなければ、同僚たちとの出世争いなどに巻き込まれることもない。
そいった点がフリーランサーを志願する人にとって大きな魅力なのかもしれない。

しかし、コンサル業を自営で営む友人はクライアントに対する接待で神経をすり減らすことも多いという。
もちろん、接待しなければ仕事が無くなってしまうといったあからさまなものではないが、クライアントとの人間関係をよりよく保っていくためにも付き合いや接待はかかせない。

会社員時代と違うのは仕事として割り切れるからそれ程苦にならないし、お付き合いや接待が本当に嫌ならその会社とは取引しないという割り切った選択肢もあるが、実際にはそこまでできないのが実情なのだ。

収入は確かに増えたが生涯年収や安定性などを考えたら決して良いとは言えない

フリーランサーの収入はピンキリなので、これも一概に言えることではないが、友人のフリーライターの例で言えば、40代前半で売り上げは1,000万円程になるという。
ここから取材にかかる交通費などの経費や税金を差し引くと手取りで700万程度。
それでもサラリーマンの平均年収は超えているし、生活していく分には十分であろう。

しかし、もしも病気になった時には会社員のような保証はどこにもない。
また定年は無いというものの、60~70歳まで今のようなハードワークを続けられるかどうか不安が大きいという。
さらに、フリーランサーは国民年金への加入が普通なので、会社員の社会年金よりも少ないことにも不安がある。

本当に好きな事で仕事をしているのだろうか?

私の友人の中には登山好きが高じてガイド資格を取得し、その後会社員を辞めてフリーの登山ガイドになってしまった者がいる。
今では数カ月先まで登山ツアーの予約が埋まってしまう人気ガイドになってしまった。

これこそ自分の趣味をそのまま仕事にしてしまった良い例であろう。
しかし、会社員時代の仕事をそのままフリーランスとして引き継いでいるようなケースでは、必ずしも自分の好きな事を仕事にしているとは限らない。

好きな事でなくても長年その仕事に従事していくうちに、プロフェッショナルとしての自覚や、やりがいや、面白さが芽生えていけば、それは好きなことを仕事にしていると言えるのかもしれない。

フリーランサーになって良かったのか?

恐らくフリーランサー10人に聞けば10人とも「後悔はない」と答えるはずだ。
私も自分が選んだ道に後悔は無いと答えるであろう。
「後悔している」と答えた途端、自己を否定してしまうことになるからだ。

フリーランスには良いところも、悪いことも沢山ある。
良い悪いの判断は本人の考え方次第であるし、見る角度によっても答えが変わるであろう。

最後にフリーランサー志望の会社員にフリーランスやりたいんですけど、と相談されたら?

恐らくフリーランサーの10人中8人位が「普通に会社員をやっていればいいんじゃない?」とアドバイスするに違いない。
フリーランスをやったからと言って、食べていける保証はどこにもないからだ。

今、ブラック企業がとりざたされているが、ブラック企業並みに働いてもブラック企業以下の報酬しか得られないことだってフリーランスの世界なら普通にあり得る話だ。
しかし、それは違法でもなんでもないし、実力だけで勝負しなければならない世界とはそういうものだ。

フリーランサーとは、自分が自分自身に対して全ての責任を負わなければならない厳しい職業でもあるのだ。

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