目次
はじめに
前回はフルマラソンのトレーニングとして、HIIT(タバタ式トレーニング)と筋トレばかりをやっている理由を書いたのですが、今回も続編のような感じです。
前回の記事はこちら
意識的にネタを小出ししているわけではなく、書くための時間との兼ね合いとか、後で思い出したりとかで・・・、まとめるのが下手なだけかも。
余談はこの辺にして、以下のマラソンの三大要素をご存じの方もいらっしゃると思います。
- 最大酸素摂取量(Vo2max)
- 乳酸性閾値(LT値)
- ランニングエコノミー
僕がタバタ式トレーニングと筋トレを中心にやっている理由は、最大酸素摂取量(Vo2max)を上げるためのトレーニングでもあります。
今日は、その辺について書いてみようと思います。
最大酸素摂取量(Vo2max)がなぜ重要か?
一流のマラソンランナーの最大酸素摂取量(Vo2max)は、80ml/kg/minを超えると言われています。
恐らく箱根駅伝に出るような選手になると最低でも70ml/kg/minはあるはずです。
ちなみに、日本人の平均は40ml/kg/minちょっとくらいと言われていますので、持久力の優れた人はVo2maxの数値も優れているということになります。
しかし、Vo2maxの数値が高いからといって、マラソンで速く走れるとも言い切れない部分があります。
それは、前述したマラソンの3大要素のうち、乳酸性閾値(LT値)やランニングエコノミーも優れている必要があるからです。
だからといって、Vo2max40ml/kg/minの人が、マラソンでオリンピックに出場できるかというと、そうではありません。
やはり、最大酸素摂取量(Vo2max)が高いことが必須条件です。
なので、フルマラソンで速くなりたいのであれば、最大酸素摂取量(Vo2max)を向上されることも重要なんです。
最大酸素摂取量(Vo2max)を向上させることは難しい?
実は、最大酸素摂取量(Vo2max)を大きく向上させることは難しいと言われています。
それは、最大酸素摂取量(Vo2max)は遺伝的要素によって、あるいは成長期にどのように過ごしたかによって決まってしまい、成長してからは加齢ごとに落ちてしまうと言われているからです。
ちなみに、最大酸素摂取量(Vo2max)を正確に測定するには、大がかりな設備が必要になるため、そう簡単にはできませんが、最近はランニングウォッチで簡易的に測定できたりします。
僕はGARMIN(ガーミン) fēnix 5 Sapphireで簡易的に自分の最大酸素摂取量(Vo2max)や乳酸性閾値(LT値)を把握するようにしています。
詳しくはこちらの記事をご参照ください
ちなみに、僕の場合ガーミンが、おまえのVo2max は60ml/kg/minあるぞ!と示してくれます。
これは練習量が上がり調子が良い時ですが、オフシーズンであまり走っていない時は50ml/kg/minくらいに下がります。
ということはトレーニング次第で上げることができるということです。
最大酸素摂取量(Vo2max)を向上するとなぜマラソンが速くなるのか?
最大酸素摂取量とは酸素をどのくらいたくさん体内に取り込めるか、と前述しましたがこれは肺活量のような呼吸器系などの話しではありません。
人間がマラソンのような有酸素運動を行うためには、筋肉を動かす必要がありますが、筋肉を動かすためにはATPという燃料のようなものが必要で、呼吸で取り入れた酸素と体内の糖(グルコース)が反応してつくりだされます。
このATPをつくりだす工場が、筋肉の細胞内に存在するミトコンドリアです。
そして、ATPがつくられた結果として2酸化炭素が生じ、呼吸によって体外に排出されます。
つまり、最大酸素摂取量(Vo2max)が高いということは、
ATPがたくさん生産できる=ミトコンドリアの数が多い
ということになり、たくさんの筋肉を長く動かすことができるというわけです。
最大酸素摂取量(Vo2max)を向上するには?
ここまでは、最大酸素摂取量(Vo2max)が優れているということは、マラソンにも有利に働くということを説明しました。
では、最大酸素摂取量(Vo2max)を向上するにはどうすればいいのでしょうか?
まず僕が第一に着目したのは、トレーニング効果の特異性です。
それは最大酸素摂取量(Vo2max)を向上させるためには、最大酸素摂取量(Vo2max)を刺激する(達する)トレーニングによって、効果が表れるという原理です。
つまり、最大酸素摂取量(Vo2max)に達する運動というのは、もうこれ以上は酸素を体内に取り込めることができないといった、高強度のトレーニングを行う必要があります。
心拍数で言えば、最大心拍数に達する必要があります。
もしあなたの最大心拍数が170bpmだとすれば、限りなく170bpmに近い高強度で走る必要がありますので、普段ジョギングばかりを行うトレーニングではなかなか達することは難しいと言えます。
そこで僕が選んだのがHIITの代表と言われるタバタ式トレーニングです。
もう何度もブログで紹介していますが、20秒の全力走と10秒の休息を8回繰り返します。
最初の3回目くらいまでは楽に感じますが、6回目以降はなると呼吸も心拍も最大に達し、さらに、最後は全身が痺れて視界が狭くなるほど苦しくなります。
それだけ苦しいトレーニングだからこそ、たった4分でも効果が上がるとレーニンだとも言えます。
そして、このタバタ式トレーニングを週に4回6週間続けることで、最大酸素摂取量(Vo2max)が10%向上したという結果がでています。
もう1つのトレーニングは筋トレです。
ATPの生産工場であるミトコンドリアは筋肉細胞に存在しますので、筋トレで筋肉を鍛えることでミトコンドリアを増やすことができます。
筋肉には有酸素運動のような小さな力で長い時間動かし続けられることのできる遅筋(タイプ1)と、無酸素運動のように瞬時に強い力を出せる遅速筋という性質の違う筋繊維があることはご存知の方も多いと思いますが、実は速筋(タイプ2)の中にもA型とB型の2種類に分けられます。
速筋A型(タイプ2A型)は、速筋と遅筋の中間の性質を持ち、大きな力を長い時間持続することができると言われています。
タバタ式トレーニングの著者である田畑泉先生の本によると、タバタ式と筋トレを組み合わせることで、無酸素性運動に能力が大きく向上したとありますので、同じようにタイプ2A型を鍛える筋トレによって、フルマラソンでもスピードを付けることができるのではないかと考えたわけです。
ちなみに、筋トレは速筋だけを鍛えるためのトレーニングではありません。
負荷強度を弱くし反復回数を多くすることで、タイプ2A型のような中間筋も鍛えることができます。
おわりに
直近1カ月の月間走行距離は100キロもありませんでしたが、淡々とジョギングを100キロするよりも圧倒的に効果的なトレーニングができています。
もちろん、タバタ式と筋トレだけでマラソンが速くなるとは思っていません。
これだけでは圧倒的にスタミナが足りないのは当たり前ですから、今後はスピードを極力維持しつつスタミナを付けるトレーニングに移行することになります(が、そろそろスキーシーズンに入るので、それも危うい!)。
普通は走り込みのトレーニングの後に、スピードトレーニングを行うので、順番が逆なんですけどね。
でも、誰もやっていないからこそ、面白いと思うんですよね。