糖質制限を行うことによってフルマラソンに有利に働くのか?

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先日、ラン友さんの1人からこんな質問をされました。

「糖質制限を行うことによって、フルマラソンに有利に働くか?」

僕は、過去に2年間糖質制限を行った経験から、こうお答えしました。

「フルマラソンまでの距離なら有利に働くことは無いと思うけど、ウルトラマラソンや100マイル以上のトレイルランニングなら多少有利に働くかもしれない。」

糖質制限をすることで筋グリコーゲンは節約できるようになるのだが・・・

ある論文にこんなことが書いてありました。

  • 最大酸素摂取量(Vo2max)の約65%強度までの運動においては,エネルギー消費量の増加に伴い,脂質と炭水化物酸化量はともに増加する。
  • それ以上の強度になるとエネルギー消費量が増加しても脂質酸化量は変化しない。
  • 80%Vo2max以上の運動においては脂質酸化量が急激に減少し,エネルギー基質の大部分は炭水化物となる。

フルマラソンを例にとってみると、速く走れる人ほど最初から最後まで80%Vo2max以上の高強度の運動を維持することができます。

この場合のエネルギー基質の大半は論文にあるように炭水化物、つまり筋肉に蓄えられたグリコーゲンになるのが一般的となります。

しかし、糖質制限を行うことによってグリコーゲンの消費を節約し、脂質を主なエネルギー基質に換えることが可能と言われています。

実際僕も2年間の糖質制限によって、トレイルレースなどの長い距離を走るだけなら問題ありませんでした。

もし糖質制限が有利に働くとすれば、エネルギー補給が成績に大きく影響するウルトラマラソンや100マイルのトレイルレースかもしれません。

しかし、残念なことに糖質制限を行っていた2年の間はハーフやフルのベストを更新することは一度もできませんでした。

糖質制限は小さなパワーを長時間出すことはできても、大きなパワーが出なくなってしまいます。

鍛えられたマラソンランナーは3時間以内の高強度運動を持続できるだけの筋グリコーゲンを貯蔵可能と言われています。

サブ4で走れるランナーであっても、数回の補給で問題無く走りきれるでしょう。

したがって、フルマラソン程度の長さであれば、糖質制限で筋グリコーゲンを節約するよりも最大限に活用した方が有利に働くのではいでしょうか。

糖質制限をしなくても補給は減らせる

僕は朝と夕方の2部制ランニングを行っています。

そして必ず朝食前と夕食前に走ります。

朝食前に30キロ走ることもありますし、夕食前に800m×8とか3,000×2などの強度の高いポイント練習も行います。

だからといって、パフォーマンスが低下したり、空腹で走れないといったことはほとんどありませんし、レースでの補給の回数や量も、糖質制限を行っていた頃とあまり変わっていません。

恐らく、食事前の血糖値が低い状態で練習を続けているうちに身体が順応したのだと思います。

ちなみに、普段の食事では炭水化物は全体の50%程度は摂っています。

最後に

糖質制限で成績を出しているアスリートはいますが、やっぱり少数派なんですよね。

結局、糖質制限をしなくても成績を残しているアスリートの方が多いわけですし、糖質制限を行うメリットはゼロでは無いにしても、圧倒的にパフォーマンスが向上するわけではないので糖質制限は不要、というのが僕の出した結論です。

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