目次
はじめに
「1日で○kg痩せた」などと聞いても、「嘘だね!」と心の中で思ってしまうのは僕だけでしょうか。
僕の経験上、1日にしてキロ単位で痩せるのは不可能。
でも、1日で1kgだったら、どうでしょうか?
可能性はゼロではないかもしれませんが、結論はかなり難しいでしょうね。
ということで、1日で1kg痩せるにはどうすればいいか、諦めずに少しだけ真面目に考えてみたいと思います。
1kg痩せるのに必要な消費カロリー
1kg体重を減らすためには、どの位のカロリー消費が必要なのか考えてみましょう。
脂質1gあたりで9kcalのエネルギーを持っているわけですから、
1kg×9kcal=9,000kcal
となりますが、脂肪には約20%の水分が含まれているので、
9,000kcal×0.8=7,200kcal
となります。
つまりカロリー収支がマイナス7,200kcalになれば、体重が1kg減る計算が成り立つことになります。
1日で7,200kcal消費する方法
7,200kcalと聞いたとたん、思考停止してしまいそうになりますが、もう少し諦めずに考えてみましょう。
基礎代謝だけで7,200kcal消費することは可能か?
人間は寝ていている間でも生きている限り基礎代謝によってカロリーを消費していますから、1日何も食べなければ基礎代謝の分だけ痩せることができます。
日本人の成人の平均的な基礎代謝は男性1,500kcal、女性1,100kcalだとして(あまり根拠はありません)、一日中寝ていたとしても一切食事をしなければ、男性200g、女性150g程度は痩せる計算になりますが、1kgには届きません。
ですが、もし1日7,200kcalの基礎代謝があれば、それも不可能ではありません。
ということで、1日7,200kcalも基礎代謝がある人はどんな人なのか考えてみました。
人の代謝は簡易的な計算式で算出することができます。
幾つも計算式があるのですが、今回はハリス・ベネディクト方程式という下記の計算式を使って20歳の男性を想定して、身長と体重を逆算してみました。
男性: 66.47+(13.75×体重)+(5.00×身長)-(6.78×年齢)
女性: 655.1+(9.56×体重)+(1.85×身長)-(4.68×年齢)
66.47+(13.75×480kg)+(5.00×200cm)-(6.78×20歳)= 7,530.87kcal
1日で消費する基礎代謝が7,500kcalの人物とは、身長2m、体重480kgの男性ということになります。
実際にこんな人がいるのかどうか分かりませんが、ギネス級で体重が500kg以上ある人が存在するらしいので、可能性はゼロではありませんね。
ただ、体重が500kg近くある人からしてみれば、1kg程度体重が減ったとしても、たいして意味が無いような気がしますし、平均的な体格の日本人からしてみれば、基礎代謝が7,500kcalなんて非現実的な話しです。
いずれにしても、基礎代謝だけで1日1kg痩せるというのは、無理があるということですな。
基礎代謝+生活活動代謝で7,200kcal消費できるか?
基礎代謝で7,200kcal消費することができなければ、生活活動代謝を加えてみてはどうでしょう?
人は会社や学校に通って仕事や勉強で動きまわっているのが普通ですから、こちらの方が現実的です。
厚生労働省では基礎代謝や生活活動代謝を簡易的に調べる方法を公開しています。
かなりざっくりしたものですが、身体活動レベルをレベルⅠ~Ⅲまで3段階に分けて、当てはまる係数を基礎代謝に掛ければ基礎代謝+生活活動代謝を調べることができます。
この簡易的な算出方法によると、身体活動レベルが最も高いレベルⅢ(年齢が18~69歳)の場合でも係数は2.0となり、基礎代謝が1,500kcal程度の人なら2.0を掛けて3.000kcal程となります。
1日運動や肉体労働を積極的にして、食事を我慢しても3,000kcalの消費。
400g程度は痩せられる計算になりますが、1kg痩せるまでには届きません。
そもそも、食事抜きで一日中運動したり肉体労働することなんて、かなりしんどいはずです。
というか不健康だし危険です。
運動して7,200kcal消費することはできそうだが
残された方法はやはりアレですかね。
運動してカロリーを消費する方法で考えてみましょう。
僕が思い浮かぶのはランニングくらしかありません。
ランニングの消費カロリーを超簡単に計算する方法がありまして、体重×距離(km)である程度は割り出すことができます。
体重60kgの人が10km走れば600kcal消費することになります。
なので、7,200kcal消費するには120キロ走ればいいわけです。
ちなみに、世の中にはフルマラソンよりも長い距離を走るウルトラマラソンという競技が存在し、国内ではサロマ湖100キロという大会が有名で、制限時間は13時間、完走率はだいたい70%、トップランナーは6時間ちょっとで走ってしまいます。
100キロのウルトラマラソンはちょっと距離は足りませんが、なかなかいい線いってますよね。
しかも、このようなウルトラマラソンには一般の市民ランナーが数多く参加しているとのことですから、1日で1kg痩せることが現実みを帯びてきました。
しかし、ここで気になるのがレース中の補給(食事)ですよね。
100キロを無補給で走ることは不可能ですから、走りながらのエネルギー補給がどの程度か気になるところです。
ウルトラマラソンを何度も経験した友人の話しによると、レース中は100kcalの糖質を1時間に3~4回の割合で補給するそうです。
仮に120キロのウルトラマラソンだとして、1時間に4回補給したとすれば400kcal×13時間=5,200kcalのエネルギー補給となり、72,000kcalに対して2,000kcalの消費となり体重減は280g程度。
意外にも、120キロ走ったからと言って体重はあまり減らないもんですな。
ちなみに僕は練習で50キロ走ったことがありますが、補給はコカコーラ1本だけ。
でも、走る前と後にはしっかりカロリー補給しましたんで、それほど体重が落ちた記憶はありません。
筋肉を落とした方が体重が減る説?
実は、体重が減るということは脂肪だけでなく多かれ少なかれ筋肉も同時に減ってしまうという悲しい現実があります。
ここまでの話しはあくまでも体脂肪だけを減らすことを前提として考えてみたわけですが、筋肉も減ることを考えてみると、事情が変わってきそうです。
筋肉は1gあたり4kcalのカロリー消費でいいわけでして、しかも筋肉には8割も水が含まれているといいます。
なので、仮に1kgの筋肉を減らすと仮定した場合、1kg×4kcal×0.2=800kcalのエネルギー消費で済むわけです。
ただ、脂肪と筋肉が減る割合がどういう条件でどう変わるのかなんて、あまりよく分からない世界。
ある程度分かっているのは、運動せずに痩せれば、筋肉の減る割合は多くなるということくらいです。
なので、脂肪と筋肉が5:5の割合で減るという仮説をたてて、必要な消費カロリーを導きだしてみました。
A脂肪500gを減らすのに必要な消費カロリー:500g×0.8×9kcal=3,600kcal
B筋肉500gを減らすのに必要な消費カロリー:500g×0.2×4kcal=400kca
A3,600kcal+B400kcal =4,000kcal
脂肪と筋肉が500gずつ減れば、4,000kcalのカロリー消費で済むわけです。
4,000kcalなら、不可能ではないかもしれません。
ということは、筋肉もある程度減ってくれれば、楽して体重が落とせるということになります。
でも、筋肉の減る割合が多いとなると、最近のボディメイク的な考えからすれば、嬉しくないお話しです。
1日にキロ単位で体重が減る理由
ここまでの話しは、1日に1kgも体重が減ることに対して、否定的な流れになってしまいました。
でも、実際に体重計に乗ると○kgも体重が減ったなんていう話しは、どう説明すればいいんでしょうか?
ちなみに、僕は日々ランニングをしていますが、夏に1時間ほど走って帰ると体重が1kg以上も減っていた、なんて日常茶飯事です。
ランニングの後に給水すればすぐに体重が元に戻ってしまいます。
またお酒をたくさん飲んだ次に日にも、体重が大きく減ることがありました。
アルコールによる脱水症状です。
まぁ、体重が急激に減ったとすれば、主な原因は体内の水分や便などの排泄物によるものと考えた方がよさそうです。
おわりに
ということで結論は1日に体重を1kg減らすのは相当難しいという、あまり面白くない当然と言えば当然の結論です。
体重1kg減らすのに72,000kcalって、途方もない数値なんですね。
実際に筋肉も同時に減るので、もっとカロリーは少なくて済むんでしょうけどね。
余談ですが、もしあなたが体重だけを早く落としたいなら、運動せずに筋肉を落とした方が近道ということですな。
その代わり、筋肉が大幅に減るので脂肪ブヨブヨのカラダになり、リバウンドしやすい体質になるという嬉しくないオマケ付きです。
今日のところは以上です。