はじめに
ダイエットで順調に体重が落ちていたにもかかわらず、ある日突然体重が落ちなくなる。
この手の話しを調べてみると以下のように言っているのをしばしば目にします。
「ダイエットを続けていると、体が飢餓状態と判断してしまい、痩せない状態になってしまう。これをホメオスタシス(恒常性)と呼びダイエッターなら誰しもが経験することです。でも安心してください。ダイエットを諦めずに続けることで停滞期から抜け出すことができるのです。」
というものです。
つまり停滞期に入ったら、「何もせずやり過ごせばいい」と言っているのですが、本当にそれで停滞期を脱出できるのでしょうか?
私はダイエットにおける停滞期を何度も経験し、いくつかの落とし穴がひそんでいることを学びました。
そこで今回はダイエットにおける停滞期の脱出方法を私なりの視点で書いてみたいと思います。
停滞期と思ったらカロリー収支をチェックしてみる
もし、あなたが「摂取カロリー<消費カロリー」の完璧な状態でダイエットをスタートした場合、最初は順調に体重が減少します。
しかし、最初のカロリー摂取量(もしくはカロリー消費量)のままダイエットを継続すれば、次第に体重の減少幅は小さくなっていき、いずれは体重減少が止まってしまいます。
理由は体重が減少したことにより基礎代謝が低くなり、カロリー消費が減ったため、いつの間にか「摂取カロリー=消費カロリー」の状態になってしまったからです。
「体重が落ちれば基礎代謝も落ちる」という理屈は少し考えれば理解できることですが、このことに気が付かない人が意外に多いのです。
かつての私も、この点を見落として停滞期を脱出できずに悩んだものでした。
停滞期になってしまったら、徹底的にカロリー収支を見直すことが重要です。
そして、「摂取カロリー=消費カロリー」の状態になっていれば、これが停滞期の原因です。
私はこの経験により、「摂取カロリー<消費カロリー」になるように見直すことによって停滞期から抜け出すことができることを学びました。
ジョギングなどの有酸素運動にも落とし穴が
ダイエットにジョギングやランニングなどの有酸素運動を取り入れている人にも厄介な問題があります。
最初はきついと感じていたジョギングやランニングでも、続けるうちに楽になっていきます。
そのまま走る距離やスピードを変えずにランニングを続けた場合、いつのまにか体が適応し、消費カロリーが落ちてしまい、体重の減少がストップしてしまいます。
逆に、走ることが楽しくなり、走る距離が飛躍的に伸びた場合にも要注意です。
激しすぎる運動により疲労が蓄積すると、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールを大量に分泌します。
コルチゾールは生命を維持するためのホルモンですから、体が危機的状況に陥ったと判断し、基礎代謝を遅らせ、脂肪を溜めこみやすい体質に変化させます。
この状況も意外にダイエットの停滞期として問題視されることがなく、隠れた要因の一つとなっています。
これらの現象は前述した体重減少による代謝の低下と相まって、ダイエットの停滞期をさらに加速させることになるのです。
私も、同じ経験をしたことがあるのですが、運動を継続しているという安心感から、原因の特定には時間がかかる厄介な問題でした。
もちろん運動量が足りなければ増やし、疲労が溜まれば休養するなどの工夫を行うことによって、停滞期を脱出することができたのは言うまでもありません。
油断からくる停滞期?も疑ってみる
順調に体重が落ち、目標体重に近づけば近づくほど、嬉しさはひとしおでしょう。
そんな状況になれば誰しも気が緩みがちになってしまいます。
たくさん運動したという充実感や自分へのご褒美として、ビールを一杯、といった方も意外に多いでしょう。
また、
”少しくらいは大丈夫”という油断から、ダイエットを緩めてしまったという人が意外にも多いのです。
そして、この油断は“無意識的”に行われているものなのです。
これをダイエットの停滞期と言えるかどうか分かりませんが、結構な確率でこのパターンが存在します。
痩せなくなってしまった理由を“停滞期“のせいにしたくなるのは人の心理ですが、客観的な視点で原因を探れば意外に簡単に分かる事です。
停滞期はじっとしていても抜け出せない
以上のように、停滞期には何かしらの原因がある、ということをご理解いただけたのではないでしょうか?
もし停滞期に陥ってしまったと感じたら、まずはカロリー収支を疑ってみるのが鉄則です。
そして、再度摂取カロリーを減らすなり、運動強度を上げて消費カロリーを増やすなり対策を講じる必要があります。
ランニングやジョギングなどの有酸素運動をダイエットに取り入れている人は、少しずつでもいいので距離やスピードを上げてみましょう。
今まで走っていたコースが平坦なら坂道を走ってみるのも負荷が大きくなるので有効です。
もしくは、走り過ぎて疲労が蓄積していると感じた方は、おもいきって休息をして、リフレッシュしてみましょう。
また、同じ有酸素運動でもエアロバイク(自転車)や、ステップマシン、水泳など、ランニングとは違う運動を取り入れ違う筋肉を使うこともいいでしょう。
さらに筋トレなどの無酸素運動やHIIT(高強度インターバルトレーニング)を取り入れるのも、ダイエットに効果的です。
有酸素運動と無酸素運の組み合わせは基礎代謝を上げる効果があり、脂肪が付きにくくなります。
おわりに
ダイエットの基本は消費カロリーと摂取カロリーの収支で決まります。
しかし、カロリー収支通りにならないことが時として発生してしまいます。
食べたもののカロリーが変動することはありませんが、時として人間の代謝は変動することがあるからです。
暫らく様子を見て何も変わらなければ、何かを疑って見直してみる、そんな創意工夫がダイエット成功の秘訣なのです。