ダイエットの間違った常識“ランニングで基礎代謝が高くなるというのは嘘?”

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ランニングを続けているとそのメリットとして基礎代謝が高くなるという話しを聞きますが本当でしょうか?

結論から先に言います。

ランニングで基礎代謝は高くなりません

ランニングによって低燃費な体質になり基礎代謝は低下する

ランニングによってカロリー収支が減ることによって体重は軽くなります。
基礎代謝を決める大きな要素は体重です。
もちろん、年齢、性別、身長、体脂肪率、遺伝的体質にも影響されますが、体重が落ちれば必ず基礎代謝も下がることは明らかです。

また、体重が落ちるということは脂肪だけでなくランニングに必要の無い筋肉も同時に落ちるのです。
一流の長距離ランナーにムキムキな人がいないのはそのためです。
筋肉量が落ちれば、その分代謝も低下します。

そして、ランニングを続けていると次第に速く遠く(長く)走れるようになりますが、他にも様々な体の変化が現れます。

  • 安静時の脈拍数が以前よりも低くなった
  • 以前と同じスピードを低い心拍数で走れるようになった
  • 階段を駆け上がっても息切れしなくなった
  • 疲れにくくなった

このようなことはランニングをしている人なら、誰もが経験することではないでしょうか?

理由は心肺機能が強化されたことにあります。
肺はより多くの酸素と二酸化炭素を交換し、心臓は沢山の血液を送り出し、血管を通じて栄養を体の隅々まで運び、老廃物を効率よく処理することができるようになるのです。

つまり、ランニングによって燃費の良い体に改善されることになり、代謝が低くなる(エネルギー消費が少ない)ことを意味します。

ダイエッターにとって代謝が低くなるということは悪いことのように思えますが、ランナーにとっては決して悪いことではありません。

以前と同じ速さで走っても、カロリー消費が少なくて済むわけですから、走りに余裕ができることになるのです。

言い方によってはランニングエコノミーという観点でエネルギー効率が良くなったとも言えるのです。
よって、ランニングによって代謝が落ちるということは理にかなったことなのです。

基礎代謝が上がるように見える理由

では、何故ランニングによって基礎代謝が高まり、さらには太りにくい体質になると言われるのでしょうか?

例えばあなたが10kmのランニングを行ったとします。
走り始めてゴールするまでの間、平常時よりも多くのカロリーが消費されますが、10キロを走り終わったとたんにスイッチが切り替わるよう消費カロリーが0kcal(基礎代謝は除く)に下がってしまうのかというと、そうではありません。

ランニングを止めた後もしばらくの間カロリー消費は安静時よりも高い状態が保たれます。

この状況をEPOC (Excess Post-Exercise Oxygen Consumption) 運動後過剰酸素消費量といわれていて、運動によって失われたエネルギーの補給や、老廃物の処理、筋組織の修復などのために酸素が消費されるのです。

話しをややこしくしているのはこのEPOCです。

確かにEPOCによって基礎代謝が上がるというふうに言えなくもなさそうですが、実際にはどうなのでしょうか?

EPOCで得られる消費カロリーは運動強度と運動時間により決まるといいます※。
※有酸素運動より筋トレのほうがEPOC効果が得られやすいと言われていますがここではランニングに焦点を絞ってお話しします。
ランニングの強度にもよりますが運動時消費カロリーの数%~15%程度と、それほど大きなものではありません。

ランニング強度が低ければEPOCの効果をほとんど得られない場合もあるといわれていますので、頑張って強度の高いランニングをしたときにだけ付いてくる”オマケ”程度に考えておいた方がいでしょう。

もちろん、EPOCにより代謝が上がることに間違いはありませんが、運動後の一時的なものでありEPOCが基礎代謝の底上げにはならないといえます。

なお、EPOCに関してはまだ研究段階で分かっていない点も多い旨を予めご了承ください。

まとめ

ランニングによって代謝が下がる主な要因として

  • ランニングでカロリー収支が減れば体重が落ちる
  • 体重が落ちることにより、ランニングに必要のない筋肉量も少なくなる
  • ランニングを継続的に行うことによって省エネ体質に変化する

があげられます。

また、EPOCについてはランニングの後だけに起こり消費カロリーも少ないため基礎代謝を底上げするような大きな効果は無い、ということになります。

以上の理由からランニングによるEPOC効果で僅かながらも代謝が上がることはあるかもしれないが、体重減少や省エネ化による代謝の低下により、基礎代謝は相殺され大きな上昇にはならない(逆に下がることもある)、というのが私の見解です。

最後に

ランニングによってダイエットを行っている人にとっては、歯切れが悪く少しがっかりするような内容だったかもしれません。

しかし、ダイエットの基本は最終的に消費カロリー>摂取カロリーになれば、必ず痩せるということが理解できている人にとってはそれほど落胆することではありません。

いくら基礎代謝が遅くなっても、EPOCの効果が少なくても、ランニングによって消費カロリー>摂取カロリーの状況にすれば確実に痩せるのです。

要は楽をして痩せることはできないということです。

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