ランニング前のストレッチの効果に疑問?持久力を低下させる!?

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ランナーの皆さんのほとんどはランニングを始める前には必ずストレッチを行うと思います。
そう、筋や腱を伸ばして何十秒か静止するアレです。

このストレッチを静的ストレッチ(スタティックストレッチ)と言います。
学校の体育や部活、ジム、ランニング仲間などから“運動前に柔軟性を高めることでパフォーマンスの向上と怪我を予防する”ためと教わった人も多いと思います。

しかし古くは1998年頃から静的ストレッチのパフォーマンスに与える影響について研究されており、筋力やパワー、持久力など、運動のパフォーマンスを低下させるという結果が数多く発表されているのです。

運動前の静的ストレッチにより、筋力・パワー・持久力までもが低下する

研究結果を要約すると静的ストレッチ(スタティックストレッチ)を各筋群ごとに30秒以上合計20分以上行った後に、上肢や下肢の様々な筋力において、明らかな筋力向上はなく、そのほとんどは5~10数%の筋力低下を確認したと報告されています。

また、ジャンプ力についても向上したという結果は無く、数%の低下が示されたとの報告があります。

さらに、ランナーにとっては少し怖い話しになりますが、運動前に柔軟性を過剰に改善させることはエネルギーを浪費させ持久力の低下を招くということも報告されています。

しかしながら、運動前の静的ストレッチがパフォーマンスを低下させる要因は、未だに明確になっていないといいます。

一方、運動前に静的ストレッチを行うことが、傷害予防という観点において、優意な研究結果は少なく、疑問視される声が出ているといいます。

意外に知られていないのはなぜか?

静的ストレッチのパフォーマンスに与える影響については、プロスポーツの世界や実業団、ジムのトレーナーなどの間では既に認知も広がっているといいます。
しかし、私たちのように趣味でスポーツを楽しんだり、街のスポーツ少年団などを指導するコーチなど、まだまだ知らない人たちが多いのはなぜでしょうか?

その理由は静的ストレッチによるパフォーマンス低下を実感しにくいからだと言われています。

確かに静的ストレッチを行った場合と行わなかった場合の比較なんてする人はいないでしょうし、毎回静的ストレッチを行う人にとっては、その差を感じることもできないはずです。

もし、この情報を知ったとしても、今までに不都合が無いのであれば、静的ストレッチをルーティーンとして続ける人にとっては、止めることができないのかもしれません。

しかし、タイムや成績を向上させたい人にとっては、少しでもマイナスとなりうる要因を排除するなり改善したいと思うのではないでしょうか。

運動前の動的ストレッチでパフォーマンスの向上が認められている

運動前の静的ストレッチがパフォーマンスの低下を招くのであれば、どうすればいいのでしょうか?
これにも研究結果があります。

運動前には静的ストレッチのかわりに動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)を行うことによって、パフォーマンス向上が確認され、パフォーマンスの低下は確認されていないという研究結果が報告されています。

動的ストレッチの方法は、ここでは詳しく紹介しませんが(書籍やネットで紹介されています)、静的ストレッチとは違い、身体を十分に動かすことによって筋肉を温め、実際の運動で使う筋肉の動きをスムーズする働きによって高いパフォーマンスを発揮すると言われています。

運動前の静的ストレッチをやめて動的ストレッチを取り入れる価値は十分ありそうです。

静的ストレッチは運動の後に行うとよい

ここまでの話しでは静的ストレッチは無意味なように思えますが、実はそうとも言いきれません。

静的ストレッチには柔軟性を向上させるほか、運動時に緊張した筋肉をもとの状態にもどす効果があると言われていますので、リラックスや疲労回復のために運動後に静的ストレッチを行うといいでしょう。

また、運動前であっても30秒以内の静的ストレッチ(単一の筋群)であれば、パフォーマンスの低下は少ないと考えられています。
怪我の影響で関節の可動範囲が小さい場合などは、運動前に軽く行う分には問題にならないでしょう。

最後に

私は既に数年前からランニング前は動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)に切り替え、静的ストレッチ(スタティックストレッチ)は、運動後に行うようにしています。

ランニングのパフォーマンスに対する大きな効果は感じられませんが、走り始めに体が重く感じていたのが軽くなったり、故障が減り、疲労回復も早くなりました。

疲労回復が早くなったということは、パフォーマンスにも余裕ができたということにもなるので、もっと追い込む走りにつなげていけるのではないかと思います。

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