はじめに
先日行われた日本陸上選手権では、100m日本記録を塗り替えたばかりのサニブラウン選手(9秒97)に期待が大きな集まりました。
結果は下馬評通りサニブラウン選手の優勝。
タイムは10秒02でした。
僕は、その時の様子をテレビのスポーツニュースで観たのですが、番組の中で興味深い解説をしていたので、今日はその事について書いてみたいと思います。
サニブラウン選手は失敗していた
テレビ番組の解説では、サニブラウン選手は幾つかの失敗を犯していて、その失敗がなければもっと速く走れたはずだ、と言うのです。
まぁ、せめて9秒台もしくは新記録を出してほしかったとう密かな期待はあったと思います。
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スタート直後の前傾姿勢が短い
100メートル走では、スタート後の前傾姿勢で加速するのだといいます。前傾姿勢を維持できなくなると、加速もストップしてしまうため、トップスピードを伸ばすためには前傾姿勢をできるだけ長く維持する必要があるのだそうです。それでもサニブラウン選手は他のどの選手よりも長く前傾姿勢を維持し、最も速くゴールしましたが、解説によるともっと長く維持する力を持っている選手なのだそうです。 -
後半ストライドが大きくなりすぎた
サニブラウン選手の速さの秘密はストライドの大きさ(サニブラウン選手は2m51cm、桐生選手は2m29cm)だといいます。それなのに後半で歩幅が大きくなり、それが失敗だったとはどういうことなのでしょうか?解説によると、着地する位置が重心よりも前になってしまい、これがスピードロスを生んでいるとのことです。
確か解説をしていたのは塚原直貴さんだったと思います。
優勝したのに少し辛口なような気がしますが、これもサニブラウン選手に対する期待の大きさなのでしょうね。
100メートル走とマラソンの共通点
サニブラウン選手の活躍とは別に、僕はこの解説を聞いて短距離もマラソン(長距離走)とある意味同じなのだと思いました。
もちろん、力を発揮する大きさや長さ(瞬発力と持久力)という点では大きく違いますが、走るという基本的なメカニズムに関しては共通する部分も多いのではないでしょうか?
マラソンでも、速い選手ほど前傾姿勢が取れていますし、重心位置で着地することにより力を逃がすことなく地面に伝えて、大きなストライドを生む点は短距離走と共通しているのだと思います。
長距離選手は短距離選手ほどランニングフォームを重要視していない?
僕はランニングフォームに関していうと、多くの長距離選手は短距離選手と比べて、重要視していない風潮があるのではないかと勝手に思っています。
というのも、少しのミスを犯してしまえば修正する余裕が無いのが短距離走なのに対して、長距離走では修正する時間的な余裕がある、という違いが大きいのではないかと思うからです。
したがって、短距離選手には精密機械のような正確さが必要となり、ランニングフォームのトレーニングに多くの時間を割くのではないでしょうか。
逆に、多くの長距離選手にとっては、正しいランニングフォームで走る集中力を維持するのは難しいこととも言えます。
ということは、長距離選手にとって正しいランニングフォームを完全に自分のものにしてしまえば、これが大きなアドバンテージになるはずです。
もちろん、これは正しいランニングフォームを維持するためのスタミナ養成にも繋がる話しだとも言えます。
恐らく、大迫選手や設楽選手のようなトップランナークラスにんなると、ここまで書いたことは当たり前に実践できていることなのでしょうね。
おわりに
前傾姿勢と重心位置への着地に関しては、今の自分のランニングフォームで意識していることだったので、このテレビ番組を(偶々ですが)興味深く拝見させていただきました。
おかげさまで、前傾姿勢と重心への着地の重要性を、改めて認識しました。
もちろん、正しいランニングフォームを如何にして習得するか、さらに正しいランニングフォームを維持する集中力とスタミナも重要。
課題は山積みです。