先日、友人との間で話題になったことをお話しします。
じっとしていても汗が噴き出るような高温多湿の部屋でヨガをやったり(ホットヨガと言うらしい)、同じく高温多湿の部屋でマッサージを受けたりするエステに関して、ダイエット効果があるかどうかというのが争点です。
発汗そのもにダイエット効果があるのか?
まず、整理しておきたいのはヨガやマッサージは一旦忘れて、高温多湿の部屋で汗を大量にかくという行為にダイエット効果がるかどうかという点です。
ここでいうダイエット効果とは脂肪燃焼効果で体重が落ちるということであって、汗などの排泄物で一時的に体重が落ちるのとは違います。
そして、脂肪を燃焼させるためには、飲食によって生じる摂取カロリーに対して、基礎代謝や運動などによって発生する消費カロリーが上回る必要があります。
これがダイエットの原理原則です。
話しは発汗に戻りますが、人間が発汗するという現象は大きくは二つに分けられます。
一つは気温や湿度の上昇に伴って、体温が上昇し、上昇した体温を下げようとして汗をかくことです。
汗の蒸発よって、皮膚の温度が冷やされる気化熱を利用して温度を下げるというわけです。
もう一つは、運動で筋肉が収縮することによって筋肉の温度が上昇し、筋肉(体温)の上昇を抑えるために汗をかくという現象です。
どちらも体温が上昇することによって汗をかくという点については共通していますが、体温上昇や発汗はあくまでも結果として起こる現象です。
重要なのは、運動によって筋肉を動すことによって代謝が上がりカロリーを消費する点です。
暑い環境の中に身を置いて汗をかいたからといって、代謝が上がるわけではありません。
似たような話しでサウナスーツを着てジョギングをして大量に汗をかけば、より多くのカロリーを消費して痩せるのではないかという都市伝説があります。
理屈は全く同じで、たくさん汗をかく現象自体にダイエット効果があるわけではありません。
逆にサウナスーツで体温が逃げずに筋肉を冷やすことができなければ、ランニングのパフォーマンスが低下することも考えられます。
そうなると、辛い思いをした割にはカロリーが消費しないということも十分あり得ます。
運動する場合は快適に動ける恰好が効果的なのは言うまでもありません。
汗をかけば痩せるという間違ったイメージ
ヨガやマッサージにダイエット効果があるかどうかはさておき、大量の汗をかけばダイエットに効果ありというイメージが、誤解を生んでいるのではないかと思います。
つまり、
運動=発汗=痩せる
と言う図式がいつの間にか、
発汗=痩せる
にすり替わってしまったのではないでしょうか。
そして、ホットヨガやエステなどの中の一部の業者にとってみれば、とにかく汗をかけば痩せるという、間違った発想を利用している感じがします。
汗を大量にかいた後に体重計に乗ってもらえば、体重は確実に減るわけですから(一時的ですが)、効果が出たように見せかけることも容易です。
実は暑いより寒い方が痩せる?
汗をかくと痩せるイメージは確かにありますよね。
でも、人間の体というのは寒い方が痩せやすいという考え方の方が理にかなっているんですよ。
寒い時に身体が冷えると震えが出ますよね。
これは体温を一定に保つために筋肉を勝手に動かし体温を上昇させているわけです(このような現象を恒常性とかホメオスタシスとか言います)。
なので、通常よりも代謝が上がりカロリー消費が高くなります。
また、人間の脂肪には褐色脂肪細胞という組織が存在し、この細胞が活性化することで体温が上昇し代謝が上がります。
褐色脂肪細胞は冷やすことで活性化すると言われていますので、やはり寒い状況の方が痩せやすいわけなんですね。
最後に
ここではヨガやマッサージにダイエット効果があるかどうかは深く言及していません。
実はヨガはテレビゲームでやったことある程度なので、よく分かりません。
ただ、ヨガのポーズによっては姿勢を保つためにある程度の筋力が必要な感じはするので、多少は代謝が上がる気がしています。
マッサージに関しては、自ら筋肉を動かすようなことはないので、ダイエット効果はゼロだと思います。
僕は時々、整骨院でマッサージしてもらいますが、気持ち良くて寝てしまうことが度々ありますから。
そんなので痩せるなら誰でも毎日通ってしまいますよね。