今さらこんな記事を書くのもなんですが、未だに私の周りにはエネルギー保存の法則を超越したかのようなダイエット法を盲目的に励む人が何人もいます。
実はその中の一人、私の知り合いであるAさんからダイエットについての相談を受けましたので記事にしてみました。
Aさんから詳しくお話しを聞いてみた結果、エネルギー保存の法則というものを分かっているようでいて分かっていない、典型的な失敗例と言えます。
摂取カロリー>消費カロリー →体重が増える
摂取カロリー<消費カロリー →体重が減る
Aさんは小学生でも理解できるような簡単な法則をなぜ見失ってしまったのでしょうか?
糖質制限ダイエットの罠
Aさんは、糖質制限ダイエットなるのもをテレビかなにかで最初に知って、ネットで詳しく調べてみたそうです。
糖質(ごはん、パン、麺類、砂糖、芋類など)を制限し、たんぱく質(肉や魚など)や脂質だけを食べて痩せるというものです。
難しいカロリー計算は必要無いのと、なによりも肉や脂がお腹いっぱい食べられる、という夢のようでしかも簡単でお手軽さがAさんのダイエット魂に火をつけたのでした。
普段の食事から主食であるお米やパンを抜き、昼間はご飯抜きのおかずだけの手作り弁当、週5日30分のウォーキングを行ったところ、1カ月に約3kg減量、3カ月後には10キロ近いダイエットに成功しました。
しかし、ダイエット開始半年後には元の体重に戻り、さらに半年後には7kgもリバウンドしてしまったとのことでした。
最初の3カ月で10キロも痩せた理由
Aさんは糖質制限を始めた最初のころには、主食のご飯やパンを抜いただけの食事だったとのことです。
ごはん一杯で235kcalとして三食抜けば一日の摂取カロリーを約700kcal減らせたことになりますが、これでは相当な空腹感に耐えなければならないはずです。
味付けが濃く脂っこいおかずだけを食べることに慣れていなかったのと、痩せるという目的意識が強かったので、空腹感に耐えることに関してそれ程苦労することはなかったそうです。
では、一日3食のご飯を抜いて30分のウォーキングしたとすれば、1カ月でどの程度消費カロリーを消費できるのでしょうか?
ウォーキング 30分126kcal×20日 2,520kcal
合計21,670kcal
体重を1キロ減らすためには約7,000kcalの消費が必要となります。
合計21,670kcal÷7,000kcal=3.1kg、計算通り1カ月で3kgの減量です。
体重が戻ってしまった理由
糖質制限ダイエットを始めて3カ月が経過し、目標の10kg減を達成した頃から、気が緩みはじめたそうです。
空腹感を紛らわせるためにミックスナッツ150gや6Pチーズ6個を一日の間食として食べ始めました。
またこの頃には、濃い味付けのおかずだけの食事にもすっかり慣れて、夕食に大好物のから揚げや、麻婆豆腐などを2~3人前平らげるようになりました。
ミックスナッツ150g 900kcal
6Pチーズ6個 354kcal
合計 1,654kcal
最初の3カ月は毎日705kcalの減量が出来ていたのですが、その後食事で1,654kcal増加してしまい、カロリーオーバーが949kcalとなってしまいました。
一日949kcaのカロリーオーバーを半年続けると、
16.6kgの体重増加です。
これもほぼ計算通りです。
糖質制限ダイエットの間違った認識
Aさんは、「肉、魚、脂質はお腹いっぱい食べても太らない」という糖質制限ダイエットでありがちな間違った情報を信じ込んでしまったため、リバウンドしてしまう結果になったのです。
私はAさんに丁寧に説明しました。
たんぱく質は1グラムあたり4Kcal
脂質は1グラムあたり9Kcal
ちなみに、炭水化物は1グラムあたり4Kcal
というふうに食品にはカロリーがあります。
糖質制限ダイエットでたんぱく質と脂質だけを摂取しても消費カロリーをオーバーして摂取すれば必ず太ります。
Aさんはカロリーのことは理解しているつもりだと言っていました。
しかし、糖質制限ダイエットに限ってはカロリーを気にする必要がないと思っていたようです。
しかしAさんが痩せたりリバウンドした理由は皮肉にもカロリー計算で証明できるのです。
最後に
私は糖質制限そのものを否定するつもりはありません。
何を食べようがその人の自由です。
だからと言って、糖質が不要だとか毒だとかも思っていません。
実は私自身も過去に糖質制限ダイエットを2年間行いました。
Aさんと同じような経験もしました。
私の出した結論は、「糖質制限ダイエットでもエネルギー保存の法則を超えることはできない」ということです。
つまり糖質制限ダイエットを行うにしても、カロリー制限をしなければ痩せませんし、カロリーオーバーになれば太ります。
ならば、私の大好物のパスタ、ラーメン、お寿司、うどん、そうめんなどを食べることができない糖質制限ダイエットを行う意味は全く思い当たりません。
自分の好きなものを美味しく食べながら、カロリー制限を行った方が、楽しく痩せられるに決まっています。
そして今は糖質制限のような窮屈なダイエットを行うことなく、理想の体重と体形を維持することができています。
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