つねづね気になっているテレビCMがあります。それはサントリーの「特茶」です。「体脂肪は分解しないと減りません」という強烈なメッセージが印象的なあのCMです。
この宣伝文句を信用するかどうかは別にして“特茶を飲めば体脂肪が減る“という印象を持つ人も多いでしょう。実際に体脂肪が減るかどうかは別の話しです。
実はサントリーは特茶を飲んで体脂肪が減るとは一言も言っていない
しかし、天下のサントリーは嘘八百のCMなんて流すわけはありません。なぜなら脂肪が減るなんて一言も言っていないからです。
「体脂肪は分解しないと減りません」
この言葉には体脂肪に対する作用が2種類あり、このことを気が付いている人は少ないでしょう。それは「分解」と「減る(燃焼)」です。
言い方を変えると「体脂肪が分解したからといって減りません」という意味にもなります。つまり、「分解」と「減る(燃焼)」は別の作用なのです。
そして、CM後半にこのような小さな文章が出ているのをご存知でしょうか?そうです、普通なら見過ごしてしまう注意書きのようなアレです。
「本商品は脂肪分解酵素を活性化させるケルセチン配糖体の働きにより、体脂肪を減らすのを助けるので、体脂肪が気になる方に適しています。」
ここでも、体脂肪が減るのを助けるだけで、飲めば体脂肪が減るなんて一言も言っていません。
実は体脂肪は常に分解されている
人は生きている限り常に代謝を行っています。
例えば、ソファーに寝転がってポテトチップスをポリポリと食べながらテレビを見ている間にも、体脂肪つまり中性脂肪は遊離脂肪酸に分解されています。
しかし体脂肪は遊離脂肪酸に分解されただけでは減りません。食事やおやつなどで摂取したカロリーに対し、代謝や運動で消費したカロリーが上回った分だけ、分解された遊離脂肪酸が燃焼し体重が減るのです。もし消費カロリーよりも摂取カロリーが上回れば、分解された遊離脂肪酸は再合成されて再び中性脂肪になります。さらに摂取したカロリー分だけ中性脂肪が上乗せされて体重が増えてしまいます。
体脂肪は常に分解され、摂取カロリーと消費カロリーの関係によって再合成されたり燃焼するといったことをくり返しているのです。これが代謝です。
最後に
さて特茶に含まれるケルセチン配糖体とは、抗酸化作用があるということで有名になったポリフェノール群の一つです。血中コレストロールを下げたり血液をサラサラする効果、そして体脂肪を分解してくれる効果があると言われています。
前述したように、分解するだけでは体脂肪は減ってくれませんので、特茶でダイエットするのであれば、運動や摂取カロリーを減らすなど平行して行うことで、効果が出るのではないでしょうか。
いずれにしても、楽に痩せる方法は無いということでしょう。