僕は冬になるとランニングの走行距離がグンと落ちてしまいます(月間100キロくらいに減ります)。
冬はスキーヤーになるからです。
もともとスキーのための体力作りの一環としてランニングを始めたのですが、いざ走り出すとこれが楽しいんですよね。
それに、スキーとは違って時間があれば場所を選ばずに手軽にできるのと、シューズやウェアの購入以外はほとんどお金がかからないのがランニングの良いところです。
そして、スキーヤーにとってみれば、夏場の走り込みによって持久力が向上し、一日中ゲレンデを滑っても高いパフォーマンスを維持できるので、こんないい事はありません。
では逆にランナーにとって、スキーは何か良い影響を与えているのか、ちょっとだけ考えてみました。
スキーは有酸素性運動と有酸素性運動が必要
大半のスキーヤーは(コースの長さにもよりますが)、ゲレンデの上から下まで一気に滑り降りることはしません。
恐らく、30秒から長くても1分くらい滑っては止まり、少し休んでまた滑るの繰り返しです(もちろん個人差はあります)。
なぜなら、スキーの運動は基本的に無酸素性運動の範疇に入るので、長い時間連続して滑り続けることが体力的に難しいからです。
そして、この無酸素運動を何回も繰り返すわけですから、有酸素性運動(全身持久力)も大いに必要になります。
したがって、オフシーズンの走り込みによって、有酸素性及び無酸素性能力を高めることは、スキーに有効なトレーニングになります。
スキーはマラソンに役立つ運動か?
では、スキーによってランニングに必要な無酸素性運動や有酸素性運動の能力を高めることができるのかというと、これはちょっと違う気がします。
例えば、ランニングのように無酸素性運動の力を100%を出しきってしまうような強度でスキーをすると、どうなるのでしょうか?
スキーは高度なバランス能力を必要とするスポーツですから、ある程度は体力の余裕のある範囲で運動しなければ、バランスが保てなくなり転倒の危険性が高まります。
つまり、スキーによってマラソンに効果的な有酸素性、無酸素性能力を高めるような追い込んだトレーニングは難しいのではないかともいます。
ちなみに、僕はスキーシーズンが終わるころになるとすっかり、走れない体になってしまいます。
これは、スキーがランニングのトレーニングになってないということなんだと思います。
バランス能力や体幹強化には効果あり?
もし、スキーをすることによってランニングに役立つことがあるとすれば、バランス感覚や体幹の強化でしょう。
トレイルランニングレースでは下りで差を詰めることが多いです。
恐らく、下りでのバランス感覚はスキーで養われたものだと思います。
また、体幹がしっかりしていれば、ランニングフォームが安定し、ランニングエコノミーも向上すると言われています。
この点はスキーによって鍛えられたバランスや体幹が、ランニングに良い影響を与えているという実感があります。
とはいえ、バランスや体幹を鍛えるだけなら、スキー以外にもいくらでも方法はありますから、ランニングのためにスキーをするというのも少し変な話しです。
最後に
スキーと一言で言っても、ゲレンデを滑るアルペンスキーだけがスキーではありません。
オリンピック種目になっているクロスカントリースキーは、相当追い込むことができるので、マラソンのトレーニングとし効果は高いはずです。
最近では高高度の山岳地帯をスキーを着けて登り降り(場合によっては急な岩場をスキー担いで登ることもある)する山岳スキーレースというスポーツがヨーロッパで大ブレイクしています。
トレイルランニングで圧倒的な強さを誇るスペインのキリアン・ジョルネは、冬でも山岳スキーレースのチャンピオンとしても君臨しています。
なので、スキーとランニングの相乗効果、もしくは親和性が良いは、こちらの方なんでしょうね。