はじめに
スキーヤーに質問です。
高速ロングターンの舵取り中の動作について、あなたはどんな感覚で滑っていますか?
- 雪面からの圧が大きくなるのに合わせて(ターン後半)徐々に膝を深く屈曲させる
- 膝はできるだけ伸展させた状態で踏ん張る
答え
AとBの違いを簡単に説明します。
- 雪面からの圧を逃がしてスキーが走らない
- 雪面からの圧が逃げずスキーが走る
あえて高速ロングターンでと定義しているので、Bの感覚で滑る方が有利だということになります。
スキーとトランポリンに置き換えて考えてみますと、高く跳ねるためには体を棒のようにピンと伸ばした状態で着地する必要がありますが、膝を深く曲げて着地してしまうと力が吸収されてしまい高く跳ねることはできませんよね。
スキーにおいても舵取り中は極力膝を深く曲げずに踏ん張った方が、スキーがビュンと走って、次のターンにスムーズに繋げていくことができます。
ただ、膝を全く屈曲させてはいけないということではありません。
スキーブーツは足首がある程度曲がった状態なので、それに合わせて膝や股関節もある程度は屈曲した状態になります。
また、雪質、斜面の状況に合わせたり、スピードコントロールを適切に行うために、圧を溜めたり逃がしたりと、車のサスペンションのように膝や股関節を細かく屈曲・伸展させてコントロールすることが必要です。
A.のパターンは上級スキーヤーに多い
実はA.のパターンで滑れている人はある程度スキーが上手な人です。
急斜面や高速で滑るとターン後半になるに従って、雪面からの圧が大きくなりますから、ある意味、その圧を逃がす操作ができる技術を持っているということになります。
もし、このようなスキーさばきができなければ、ターン後半にスキーが発射してしまい、コントロール不能となってしまいます。
では、なぜ圧を殺してしまうのでしょうか?
もしかしたら雪面から返ってくる大きな圧やスキーの走りに恐怖心を感じていて、圧を殺してしまう動作を無意識的に行ってしまっている可能性があります。
あるいは、スキー技術に対して間違った捉え方をしているのかもしれません。
練習ドリル
A.のパターンで滑ってしまう人のためのドリルですが、以前に記事にしたことがあるのでそちらを参考にしてみてください。
吉岡大輔さんが同じようなドリルを紹介していますので、こちら参考にしてみてください。
おわりに
以前、スキーヤーの間で低い姿勢がもてはやされた時代がありました。
今でも、上手な人は低い姿勢で滑っているように見えますが、それは高速ターンを行う時に下肢の内傾が深くなることでそう見えているだけで、膝を深く曲げているわけではありません。
そんな間違ったイメージが先行してしまい、ターン中に膝を曲げてしまうというスキーヤーがいるのかもしれません。
実は以前、僕もそんな間違ったイメージで滑っていたことがありました。
でも、ちっとも上達しませんでしたけどね。
そこから滑りが一皮むけたのは、逆に脚を伸ばすイメージに変えてからでした。
今回の内容はロングターンだけでなく、ショートターンやコブでも言えることなので、機会があればまた記事にしたいと思います。