シュテムターンは指導には使うけど実践では使わないちょっと変わった滑り方!?

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シュテムターンをご存じでしょうか?

そう、切り換えの時にスキーをハの字に開いて、切り換えが終わったらスキーをパラレルに揃えて滑るアレです。

スキーのバッジテストを受けたことのある人やスキースクールで教わったことのある人、あるいはスキーの指導者なら、シュテムターンを知っているかもしれませんが、そうでない人は知らない人もいるかもしれません。

さらに、スキー場をシュテムターンで滑っている人を見かけることは少ないのではないかと思います。

もし、滑っている人を見かけたとすれば、前述したようにバッジテスト、スクール、指導者検定の練習くらいでしょう。

SAJのスキー教程では、シュテムターンはパラレルターンへ導くための3本の矢(A滑走プルーク、B横滑りの展開、Cシュテム動作)の一つとして位置付けられています。

ところが、上手くなりたいスキーヤーにとって、切り換え時に意図せずにシュテムしてしまうことは、悪い癖と言われることもあり、シュテムするのを直そうとします。

パラレルターンの完成度を上げるためにシュテムする癖を無くしたいスキーヤーがいる一方、SAJではパラレルターンへ導くための一つの手段としてシュテムターンを推奨しているという、少し変わった滑り方なんですね。

なので、もしかしたらシュテムターンは不要なのでは?と思われるスキーヤーも多いのかもしれません。

シュテムターンは不要では?

指導者のはしくれの僕の個人的な見解から言わせていただくと、結論は「必要」だと考えています。

初心者への指導

シュテムターンが最も真価を発揮するのは急斜面や悪雪です。

実は初級者を急斜面(そのスキーヤーにとっての)でも安全に滑らせる場合、シュテムターンはとても有効なテクニックです。

スキーというのは切り換えから谷回りにかけてが、最も不安定な局面です

特に初級者にとって、滑る斜度が急になるほど、その傾向は大きくなります。

その不安定な切り換えの局面において、スキーをハの字に開きだし、プルークのスタンスで方向を変えさせることができれば、急斜面を安全に滑り降りることが可能です。

方向を変えたあとは山回りで内スキーを引き寄せて平行に戻してあげればいいのです。

最初は切り換えをプルークで、山回りは斜滑降で滑るような滑り方で十分なんです。

この動作に慣れていくことによって、次第に内スキーを引き寄せるタイミングが速くなり、パラレルターンに近づいていくようになります。

中上級者への指導

では、ある程度パラレルターンが滑れるようになった中・上級者にとって、シュテムターンは必要無いのでしょうか?

僕は、両スキーを平行にしてパラレルで滑れる技術を持っている2級レベルのスキーヤーにとっても、パラレルターンを更に洗練させるためにシュテムターンは有効だと考えます。

具体的には、外スキーを開きだし、素早く内スキーを揃えて、谷回りからパラレルスタンスで入るタイプのシュテムターンをバリエーション的に行えば良い練習になると思います。

外スキーを開きだすためには、外脚にしっかりと加重し山回りを丁寧に仕上げる必要がありますし、谷回りをつくっていくためには外脚を開きだした際にスキーの真上に乗るためのポジションをつくらなければなりません。

案外と早い引き寄せのシュテムターンは基本ができていないと難しい滑り方なんですよね。

最後に

以上のように、僕は指導の際にはシュテムターンを取り入れることが結構あります。

ただし、初級者に対してはパラレルターンに導くための手段としてなのですが、しつこくシュテムターンをやり過ぎないようにしています。

中上級者に対しては、ポジショニングの確認や谷回りの感覚を養うためのバリエーションとして用いることが多いですね。

ということで、初級者から上級者まで、シュテムターンを取り入れた練習は、必要だと思っていますが、自分が滑る時はあまりやらない滑り方。

バリエーショントレーニングの一つとして捉えているのは僕だけ?

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