はじめに
中級スキーヤーあるあるの一つとしてX脚が挙げられます。
今回はX脚について色々とお伝えします。
X脚とは
両脛の内側に3角形の窓(隙間)ができ、砂時計のようなX字型のシルエットに見えることからX脚と言われています。
具体的には、外側の膝が過度に内側に入ってしまう場合と、内側の脛が垂直に(雪面に対し)立ってしまう場合、あるいはその両方によって、X脚のシルエットが出てしまいます。
スキーのレベルで言えばパラレルターン(スキーを平行にして滑る)がある程度できるようになった中級者や女性のスキーヤーに多く見受けられます。
X脚の弊害
X脚で滑ると膝に大きな負担がかかり怪我のリスクが大きいです。
また、テクニカルやクラウンなどのプライズテスト、技術選など大会レベルを目指すスキーヤーにとっては、大きな弊害になります。
X脚になる原因
X脚を引き起こす原因は様々ですが、主に以下の原因が考えられます。
- 外膝中心のエッジングになってしまい、外側の脛が過度に内側に入ってしまう
- 内倒のバランスをとるために内スキーで雪面を杖のように支えてしまう
つまり、”正しい外向傾がつくれない”ことが真の原因になっていることが多く、これによって外スキー荷重でスキーが撓まずに、内倒してしまいます。
正しい外向傾ができない代わりに、膝を内側に入れてエッジを立てようとします。
さらに膝エッジでは角付けが甘くなるため、内倒しやすくなり、内倒を助けるために内脚で支えるような滑り方になります。
正しい外向傾がつくれない→膝を内側に入れてエッジを立てる→内倒する→バランスとるため内スキーで杖のように支える→X脚のシルエット
という悪循環がX脚の原因となっているケースが多いです。
X脚を直す方法
前述しましたように、X脚を直すには、正しい外向傾をつくり外スキーをしっかりたわませて滑ることができるポジショニングをとることが重要なカギとなります。
具体的には、”股関節を使った外向傾姿勢”です。
意識する方法としては、外脚股関節の外転と内足股関節の内旋行うための正しい動かし方を習得し、股関節で外向傾姿勢(くの字姿勢)をつくることです。
そうなれば外スキーでバランスを取れるようになり内倒も改善され、内スキーは自然と外スキーに同調しX脚のシルエットが無くなります。
おわりに
僕自身X脚で悩み続けた間は、ずっと膝や脛の動かし方ばかりを意識して滑っていましたが、一向にX脚が改善されることはありませんでした。
当時はX脚だけでなく、内倒、ローテーション、スキーが撓まない、エッジングが甘い・・・などコーチからはダメ出しの嵐でした。
ところが、スキーを撓ませて滑るために、外向傾をしっかりとつくる練習を何シーズンにも渡って行ったところ、X脚だけでなく他の症状も改善されたんです。
結局のところ諸悪の根源は正しい外向傾姿勢が取れてなかったこと。
正しい外向傾とは股関節を動かしてつくることです。
でも、股関節を動かすということは、そんなに簡単なことではありませんでした。
なので、もう少し整理して、詳しい内容を書いていこうと思います。
ちなみにスキー教程には、X脚の直し方なんてどこにも載っていませんよね。
本当は上達したいスキーヤーにとって、そんな情報が欲しいような気がするのですが・・・
コメント
コメント失礼いたします。
アラフォー女です。
この記事、私が長年抱いていた悩みそのものです。
ターンの時に内足のアウトエッジを使いたいのですが、怖くてなかなか荷重できません。雪面に接しただけで、足をとられたような感覚になります。
ボーゲンのインエッジを使う感覚が染み付いてしまって、恐怖心が拭えません。
これまで、例えば山側の足のアウトエッジのみを使って一本足で斜滑走するとか、そういった練習をして、ある程度はアウトエッジに慣れてきました。
しかし、山側は少し慣れましたが、谷側のアウトエッジはやはり怖いです。
皆さん、スキーが上手い先生方は、おそらく子供の頃からスキーに親しんだ方々ばかりで、知らないうちに出来ていたというか、この問題で悩まなかった方が多いのだと思います。
雪山が遠く、大学生になるまでスキーをしたことがなかった私としては、ボーゲンのエッジの使い方からなかなか抜け出せないのです。
大人になったら、体が言うことを聞かないので、体に叩き込むのが難しいです。
頭で理解しないとなかなか体が動かず、次へ進めません。
(私が開いているバレエスクールの大人生徒さんも同じです。私が思いもよらなかったところで苦戦します。こどもは、私のを真似て上手くなりますが、大人は理論的に指導しないと上達は難しいと感じています。)
今後も、記事を楽しみにしております。
山川様
この度は当ブログを読んでいただきありがとうございます。
実際に山川様の滑りを見ていないので正確なアドバイスになるかどうか分かりませんが、コメントの内容を拝見いたしましたところ、外スキー荷重をしっかりと練習されてもよいのかもしれません。
つまり、外スキーにしっかりと乗れなければ内スキーを杖のように支えて滑ることになります。
所謂ボーゲンの延長的な滑りになってしまいます。
X脚になる原因として、内スキーのアウトエッジが使えないという切り口で記事を書いておりますが、外スキー荷重がしっかりできないとX脚になりやすいという本質的な問題があります。
実は、そういった切り口でこの記事を書きなおそうかと考えていたところ、早速山川様のコメントをきっかけに書き直してみましたので、再度読んで頂ければ幸いです。
山川様はバレーをされているということですのでバランス感覚や体の柔軟性など素晴らしいものをお持ちかと存じますので、少しだけ意識を変えてみるだけで、解決するのではないかと思います。
もし、このコメントが的外れな内容でしたらごめんなさい!
ちなみに、私もスキーを始めたのは社会人になってからです。