目次
はじめに
先日、スキー仲間のBさんと久しぶりに滑る機会がありました。
Bさんは、最近カービングターンができるようになりスキーが楽しくて仕方ないとのこと。
一緒に滑ってみて、あらビックリです。
雪面にカミソリのような鋭いシュプールでカービングしまくりなのですが、加速が止まらずアンコントローラブル。
ゲレンデの暴走族と化していました。
Bさん曰く、急斜面でも同じようにカービングしたいので、教えて欲しいとのこと。
その前に、緩斜面でもコントロール不能のカービングもどきターンをなんとかしませんか?と僕からの提案。
なんで、こんなことになったんでしょう?
エッジだけのカービングはNG?
Bさんの滑りを診させていただくと、膝を左右に返すだけの俗に言うレールターンで滑っていることが判明。
カミソリのような鋭いエッジの跡は残りますが、スキーのたわみが少なく、サイドカーブだけで滑るので、浅いターン弧しか描けません。
もちろんレールターンがダメなテクニックではありませんが、急斜面や荒れた雪面などにはあまり向かない滑り方。
なので、ちょっとしたワンポイントアドバイスが始まりました。
開きもので荷重と角づけのイメージを変える
Bさんの滑りの特徴は膝を必要以上に内側に入れてエッジを立てようとする意識が強いため、スキーに真上から荷重するこができず、スキーをたわませることができません。
滑走プルークで荷重感覚を養う
まずは、スキーをたわませる荷重する感覚を取り戻すために、プルークボーゲンの練習。
ボーゲンの形は既に両脚の角づけと回旋(むかえ角)が出来た状態なので、外スキーに体重をかけてあげれば、スキー板がたわんで曲がることを確認。
この時の注意点は、
- 膝を内側に入れない
- 板のトップ、膝、股関節が一直線になるように荷重する
プルークボーゲンから外スキーカービングターンへの展開
滑走プルークから徐々にスピードが上げていくと、外スキーは体重を乗せるというよりも、雪面抵抗を受け止めて踏ん張るような感じになります。
外スキーで踏ん張ると同時に、内脚の膝と股関節をたたんでいきます。
こうすることで、外脚の内傾が大きくなり、内スキーのアウトエッジが立つようになり、より速いスピードに耐えられるようになります。
注意点としては、
- 外スキーを回旋させる意識は持たない
- 外脚の膝を内側に入れない
- 上体は雪面に対して垂直に保つ(内到しない)
- 外スキーのエッジがかかるまで内脚はたたまないようにする(でないと内到してしまいます)
こつとしては、股関節をスキーの進行方向に向けることで、スキーがスムーズに回ります。
基礎パラレルターンからカービングターンへの展開
キレキレのカービングターンは一旦忘れて、ズレ幅の大きな基礎パラレルターンから少しずつスピードを上げてズレ幅の小さなパラレルターン、そしてカービングターンへと展開していきます。
ここで養いたいのは、例えズレ幅が大きなターンでもスキーのトップがしっかりとたわむ感覚です。
また、ズレ幅が少ないターンや、カービングターンであっても、スキーの軌道に対してスキーのテールが微妙に外側を通るような感覚で滑れるようになりましょう。
おわりに
以上の練習を半日行っただけですが、Bさんは見違えるようにコントローラブルなカービングターンが出来るようになりました。
もちろん、カービングターンの完成度を高めるために、もっと反復練習する必要があります。
カミソリのような細いシュプールだけがカービングではありません、
太くても雪面をえぐるようなカービングの方が難しかったりします。
しっかりとスキー板をしならせて、大小様々なターン弧を描けるようになることが理想です。
ちなみに、前述しました開きものの練習は、僕自身が調子を整えるために、よくやる練習です。