先日、私と同世代10人位である集まりがあって、打ち上げをしたのですが、喫煙者はたったの1人でした。
かつでは、友人や仕事仲間で飲み会をすると、タバコを吸うのが普通で吸わない人は少数派といった時代があったものですが、今はだいぶ状況が変わったものです。
喫煙者の中には禁煙したいという願望を持っていたり、禁煙に何度かチャレンジして失敗してしまった経験がある人も多いのではないかと思います。
実は、なかなか禁煙できない要因の一つとして、禁煙の効果がいまひとつ理解されていない点があげられるといいます。
ということで、今日は私自身の経験を交えて禁煙の効果について整理してみました。
これから禁煙を始めたい方は必読ですよ!
禁煙によって病気になるリスクが改善される
禁煙による効果としてまず分かりやすいのは体そのものに与える影響です。
その効果は下表のように20分後から現れると言います。
タバコをやめるとこんなによくなる!~禁煙による医学的変化~
(順天堂大学医学部附属 順天堂医院 呼吸器内科)
禁煙後20分 | 血圧や脈拍が正常化し、手足の体温が正常に戻る。 |
8時間 | 血液の一酸化炭素濃度が正常になる |
24時間 | 心臓発作のリスクが減る |
48時間 | 運動機能が改善し、味覚・臭覚が復活し始める。 |
72時間 | 気管支の緊張がとれ呼吸が楽になる。肺機能が改善する。 |
2~3週間 | 心機能が改善。肺機能が30%回復する。 |
1~9ヶ月 | 咳、息切れ、疲れやすさが改善する。気道の自浄作用が改善し感染症を起こしにくい。 |
1年 | 虚血性心疾患にかかる危険が喫煙者の1/2になる。 |
5年 | 肺がんで死亡する率が半分に減る。 |
10年 | 前がん状態の細胞が修復される。口腔がん、咽頭がん、食道がん、膀胱がん、膵臓がん等になる確率が減少する。 |
私が禁煙したときに最初に効果を感じたのは数日で味覚・臭覚が復活し始めたという点です。
禁煙の効果の一つとして食べ物が美味しく感じると言われていますが、まさしくその通りで、食べ物を食べても甘いとか辛いとか、しょっぱいなどの単純な味覚しかなく、コクや深みなどの微細な味を感じることはできませんでした。
さらに、森を歩くと青葉から発する新鮮な空気の匂いを感じたり、夕方に街を歩けば各家庭で料理される夕飯の美味しそうな香りを感じられるようになります。
禁煙の効果によって匂いや味を普通に感じられることがこんなに幸せなことなのかと感動したものでした。
また、72時間後から肺機能が改善され始め、2~3週間で心機能や肺機能の改善、1~9ヶ月後には咳、息切れ、疲れやすさが改善すると言われています。
私も駅の階段を登るだけで息切れするとか、少し歩いただけですぐに疲れてしまう状態だったものが、禁煙後しばらくして明らかに疲れにくくなりました。
すぐに疲れてしまうと、運動するのが嫌になりますし、運動しても疲れるので休憩してついついタバコを吸ってしまうものです。
禁煙すると、そんな悪循環から解放され、今では運動することが楽しくなりました。
今では毎朝10km以上ランニングで汗を流し、気持ちのいい一日をスタートすることができるようになりました。
もちろん、あなたの喫煙によって生じる副流煙によって、子供などの大切な人にも健康上の悪い影響を与えているということを忘れてはなりません。
禁煙によって金銭面でのメリットが生まれる
愛煙家の中には禁煙の効果として金銭的なメリットがあるのを感じていても、具体的に金額を算出する人は意外と少ないんですよね。
恐らく金額を知るのが怖いのではないかと思いますよ、私もかつてはそうでしたから。
例えば、タバコを一日一箱吸う人が20歳から80歳まで50年間吸い続けた場合(一箱440円として)、
440円×365日×50年=8,030,000円
高級外車が一台買える金額になります。
一日2箱のヘビースモーカーの場合なら、2倍の1,600万円になもなり、安いマンションが買えてしまいます。
2日で1箱しか吸わない人でも、400万円となり、国産車なら十分に良い車が買えてますよね。
いずれにしても、普通のサラリーマンにとってみれば、安い金額ではないのは言うまでもありません。
以上はタバコ代がかかるかどうかの直接的なメリットですが、実は生命保険の中にも非喫煙者であれば保険料が10%~30%も安くなる保険があります。
さらに、喫煙者が最もかかりやすい肺気腫などの病気で入院した場合300,000円の医療費(3割負担の場合)がかかると言われ、健康上の理由で仕事に支障が出た場合、金銭的な損失はさらに上乗せされるのです。
以上のことから、金銭的にもタバコは決して良い効果をもたらさないのは明らかです。
禁煙によって時間の無駄が無くなる
以前の記事にも書いたことがあるのですが、喫煙に要する時間についても長い目で見れば馬鹿になりません。
22歳で就職し定年60歳(38年)の間、仕事中に1時間に1本、1回の喫煙で5分喫煙に時間を費やした場合(一日の勤務時間を8時間、1年で266日の就業日数で計算)、
5分×8回×266日×38年=40,4320分=281日
となり281日も喫煙に時間を使うことになります。
平均的なサラリーマンの生涯年収は約2億5千万円と言われていますので、タバコで無駄にした1年で換算すると約660万円も給料泥棒をしたことになります。
ちょっと、言いすぎでかもしれませんが、経営者の立場からすれば、決して笑いごとではありません。
喫煙者からしてみれば、タバコを吸う間も仕事のことを考えているとか、息抜きになり仕事の効率が上がるなどと色々言う人もいるでしょう。
しかし、タバコをやめた私から言わせると、タバコを吸ったからと言ってストレス発散どころか、離脱症状で集中力は無くなり仕事の効率は悪くなるばかりです。
また、喫煙中は確かに仕事のことを考えることもありましたが、これはタバコを吸わなくてもできることです。
むしろ喫煙者との間で仕事に関係の無い無駄話をすることの方が多かったように思います。
タバコを吸うことによって生産性が下がることはあっても、生産性が上がる事は決してありません。
ではプライベートな時間はどうでしょうか?
例えば家族や恋人と1日遊園地に行ったとしましょう。
あなたはタバコが吸いたくなると、1人喫煙所に駆け込み、その間は子供や恋人に待たせることになります。
映画やコンサートでも途中でタバコが吸いたくなり、喫煙室に駆け込むこともあるでしょうし、ドライブ中にタバコを吸う為に車を停めることもあるでしょう。
喫煙者にとっては、タバコを吸う時間は大事な時間かもしれませんが、タバコを吸わない家族や恋人は、無駄な時間に付き合わされ、家族と触れ合う大事な時間を削ることになるのです。
タバコを吸う人は多くの無駄な時間を費やしていることや、周りの人たちを巻き込んでいることに気が付くことはありません。
例え気づいていても、ついついやっている人も多いでしょう。
私もかつてはそうでした。
タバコを吸わない側の人間になってみて、初めて実感することなのです。
禁煙によって精神的に楽になる
実は禁煙による効果として「気が楽になった」と感じる人が多いといいます。
最近ではタバコを吸える場所が少なくなり、吸える場所であっても周りの人に気を使いながら吸わなければなりません。
喫煙によって家族から冷たい目で見られたり、初対面の人に自分が喫煙者だということを知られたくないといった人も多いといいます。
外出する時はタバコとライターを肌身離さず携帯し、目的地に着いたら一目散に喫煙所をチェックしなければなりません。
タバコが30分以上も吸えない状況になると離脱症状が現れ、イライラして集中力も無くなります。
そんな不都合な状況でもタバコを吸い続け、禁煙ができない意志の弱差を理由に、自己嫌悪におちいる人が多いのです。
禁煙に成功した人は、以上のようなモヤモヤした気持ちが全て吹き飛びます。
そして、自信がみなぎり、胸を張って生活できるようになります。
最後に
ここまでお読みいただき、いかがでしたか?
恐らく、人によって共感できた部分やあまりピンとこなかった部分があったのではないでしょうか?
私が禁煙を決断できたのは、禁煙の効果として「タバコを吸わない素晴らしい世界が待っている」ということをリアルに想像できたからです。
皆さんも、自分なりに禁煙によってどのような効果が得られるのかということを、じっくり考えてみてください。
そうすれば、必ず禁煙は成功するはずです。